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  • 執筆者の写真マルフクメディカルフーズ

難聴と認知症

 高齢になると、体力が落ちてきて、色々な不調が生じてきます。内臓の衰えと共に、感覚器、即ち、目、耳、鼻、口にも異常が出てきてもおかしくありません。白内障、難聴、嗅覚障害、嚥下障害などは高齢期につく病名です。個人により進行度は違いますが、白内障は加齢が原因で80歳を過ぎればほぼ100%の人が発症すると言われています。しかし、認知症になると白内障の状況が理解しづらく、手術は無理になるかもしれません。白内障が認知症につながることはありませんが、難聴は認知症につながると言われています。難聴が原因で発症すると考えられる認知症は全体の約9%程度ですが、難聴のために脳に伝えられる音の刺激や、情報の不足により、更に脳の萎縮が進むと考えられています。即ち、人とのコミュニケーションが少なくなり、人との交わりを避けるようになり、社交性がなくなり、家に閉じこもってしまうことも起こりかねません。難聴を予防するには①生活習慣の改善が必要です。原因の一つとして考えられるのが「血液循環の悪化」で、喫煙する人が1.3倍、糖尿病の人が1.5倍難聴になりやすいと言われています。血液循環を良くするためには、週1-2回の散歩、歩行が有効と言われています。以前は一日1万歩、現在は8000歩位で良いかと言われています。②積極的に補聴器を勧めていますが、聴力正常なら認知症は0%、難聴者なら認知症が100%というような極端な話ではありません。聴力正常者で認知症の人は5%、難聴者で認知症の人は10%、補聴器を使うと認知症の人の割合が8%に下がるという微妙な数値の比較です。

2019年、WHOは認知機能低下および認知症リスクの提言に関するWHOガイドラインを公開しました。認知症予防のために具体的な介入方法は①運動介入、②禁煙介入、③栄養介入、④アルコール使用障害への介入、⑤認知トレーニング、⑥社会活動の勧め、⑦体重管理、⑧糖尿病の管理、⑨脂質異常症の管理、⑩高血圧の管理、⑪うつ病の管理、⑫難聴の管理とされています。愛知医科大の耳鼻咽喉科の内田氏によると、補聴器の効果のエビデンスはまだ、不十分とされてはいますが、聞こえにくさを最小限に抑えて、日常生活機能や生活の質を改善するためには補聴器の活用が勧められており、加齢性難聴と認知症への問題への取り組みは超高齢社会の日本にとって優先順位の高いテーマであるとしています。


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