唾液を出す事が大切です
高齢になると、口内のケアが更に必要となります。口呼吸では、口内が渇きますし、唾液が口中の細菌を殺す働きもありますので、口は開かないで鼻呼吸を習慣にしましょう。特にいびきをかく人は、無呼吸症候群になる可能性もあり、その時に口を開けている状況ですので、この症状にも注意が必要です。唾液の働きは既出ですが、今回は唾液の粘膜免疫の働きでインフルエンザなど重症化しやすい病気の発症を予防しているということに注目しましょう。その粘膜免疫を担っているのが、唾液に含まれる免疫物質のIgAというグロブリンです。IgAは体内に入ろうとする細菌類をシャットアウトし、鼻やのどへのウイルス侵入を一番先に防御します。そのための唾液を出すには、よく噛むことが一番です。
コロナが下火になったとはいえ、まだまだ油断すべきではありません。2021年、神奈川歯科大学の研究グループ槻木博士がIgAの新型コロナ感染予防に役立つ可能性を示し、また、IgAが食生活や軽い運動によって増加させることができると発表しました。乳酸菌を毎日継続して摂取すると唾液量が増え、IgAも増加します。そして食物繊維を毎日の食材に豊富に取り入れる事、また、水分を不足ないように摂取すること。そして重要なのが軽い運動、ストレスにならないような軽いストレッチが理想だそうです。腸の調子を整える事がIgAを増加させ「腸-唾液腺相関」と言われるように、唾液は消化液にとどまらず、歯周病や誤嚥性肺炎などの感染症予防にも深くかかわり、健康を促す万能薬と呼ばれる所以です。早食いはやめて、よく噛み、唾液腺を刺激すれば、自然と口内は清潔に保たれているはずです。また、ロッテの研究では、ガムを咀嚼することで安静時と比較して唾液の分泌が促進され、口腔内のIgA分泌が約2.5倍(5分間咀嚼時)に増加することを確認しています。キシリトール入りのシュガーレスガムを噛むことで唾液を出してみましょう。
Comments