臭覚障害
人間には五感があると言われています。視覚、味覚、聴覚、嗅覚、触覚の五つですが、高齢になると、すべて衰えると言っても言い過ぎではないと思います。視覚は加齢による白内障は手術で復活、聴覚も加齢性難聴傾向であれば、補聴器で補正できます。味覚障害や聴覚障害はコロナの後遺症とも言われていますが、味覚障害は亜鉛不足が原因と言われて、亜鉛補充で良くなることがわかっています。亜鉛以外にもたんぱく質、ビタミンCも同時に摂取することが必要です。触覚障害とは、特定の触覚刺激(皮膚から感じる刺激)が苦手だったり、敏感であったりします。特定の衣服の肌触りが苦手でその素材の服が着られないとか、タグや縫い目が気になる、肌が濡れる、汚れることを極端に嫌うことなどがあげられます。これは、完全に治癒することは難しいので、特定の物に触れないようにするしか、ないでしょう。最後の嗅覚障害には3つの原因があります。元々、副鼻腔炎等で鼻が詰まって匂いが感じられなくなる①気導性、薬剤や風邪ウイルスによって、つまりコロナの後遺症等による嗅覚細胞が破壊され匂いを感じなくなっている場合を②嗅神経性。そして、高齢者には一番関係あるアルツハイマー病や、パーキンソン病等による中枢神経に障害が起こることで嗅覚に異常が発生する③中枢性に分けられます。まずは、検査ではカレーのにおいがするかどうかで判定します。また、ニンニク注射をして匂いがわかるかの検査もしています。が、日常生活で匂いがわからなくなると、美味しく食事ができず、これは味覚にも関係しています。また、ガスなどの臭いにおいもわからなくなると、生活に支障をきたしますので、治療が必要です。先の気導性、嗅神経性に関しては治療薬もあるようですが、この中枢性による嗅覚障害は元の疾病が長続きすると、治癒に時間がかかります。その中に嗅覚刺激療法があり、アロマの匂いを嗅ぐ方法ですが、クローブ、レモン、ラベンダー、ユーカリの4種類を嗅ぎ分けます。朝晩二回1種類を10秒間嗅ぎ、12週間続けて効果があると言われています。早くに嗅覚障害を見極めることが必要で、このアロマを嗅ぐ方法は認知症にも効果があるようです。鳥取大学医学部の浦上先生によると、昼間はローズマリー:レモンが2:1配合、夜間がラベンダー:オレンジが2:1の配合に効果があるとされており、現在、認知症施設でこのアロマを使用しています。
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