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沈黙の臓器―肝臓―

執筆者の写真: マルフクメディカルフーズマルフクメディカルフーズ

 先日、肝臓学会(奈良)が開催されて、奈良宣言が発表されました。肝臓は沈黙の臓器と言われ、肝硬変や肝臓がんに進行して初めて診断されるケースがあり、ウイルス性肝疾患は死亡者が年々減少傾向にありますが、生活習慣病を基盤とする脂肪肝やアルコール性疾患が年々増加傾向です。そこで早期発見、早期治療のきっかけとして、ALT(GPT)>30を一つの目安とするという内容です。

 コロナ禍の生活変化で糖尿病リスクが高まっており、脂肪肝の原因は糖尿病と肥満で6割以上、一方、糖尿病で一般クリニックに通院中の65%が脂肪肝を併発しているのが現状です。また、脂肪肝は慢性腎臓病のリスク因子で、また、非アルコール性脂肪性肝疾患の患者では認知症リスクが38%高まることが示されています。このように、疾患の連鎖が起きて長期間で重篤化します。ALTは肝臓が傷つくと血管内に漏れ出して血管内に移行して数値が上昇します。同様にAST(GOT)も上昇しますが、特にALTの方が他の臓器にあまり含まれないためにその血中の高さは肝臓の障害を反映します。ALTの正常上限値は男性30U/L以下、女性が19U/L以下で、30U/L以上が保健指導判定値となります。今、日本では40歳以上から74歳までの特定保健指導、後期高齢者指導での血液検査で、自分の数値は最低、一年に1回は、目にしていると思います。疾病の連鎖が起こる前の肥満、糖尿の疑いがある場合、まずはこれからの治療になると思われます。肥満や糖尿病の治療はよくご存じかと思いますが、肝臓病にとっても同じです。簡単に言えば、食べ過ぎず、適量な動物性、植物性の良質なたんぱく質が必要で、そして、カロリーオーバーにならないようにすることです。このコロナ禍で、運動不足が一番の理由かもしれませんが、私の周りでも糖尿病の疑いのある方が多く、食べる事が一番の楽しみになっている高齢者が問題です。片や、フレイルの低栄養の方が居る反面、元気な方が陥るこれらの疾病の連鎖に注意です。



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