保存食の歴史
現在、食中毒の原因食品を見極めるために、使用する洗浄前の生食材と、調理後の料理を50gずつ、-20℃以下2週間以上冷凍保存しておく必要があります。昔は冷蔵で48時間、72時間、96時間と延長はありましたが、2日~4日間の保存期間で良かったのです。しかし、それでは潜伏期間の長い菌を見逃してしまうため、期間が更に延長され、保存食用の冷凍庫が必要になりました。保健所の立ち入りがあると、まず提出しなければならないのが、この保存食です。約28年前、学生が休みがちで理由を聞くと、下痢がひどいと相談に来ました。下剤によく効く薬を紹介し、それでも駄目なら医者に行きなさいと。それでも駄目なら手はないかもと脅かしましたが、しばらくして、医者に行ったが駄目だったと。しかし、彼女曰く、よくよく考えると、生肉をたくさん食べていた、それも忘れるくらい随分前だというのです。今から考えると良く死を免れたと思いますが、潜伏期間が長いために見逃すことが多いのです。それ以降、生のレバ刺しで客が亡くなる事例も発生し、O-157等の病原性大腸菌の恐ろしさが世間に広がりました。また、地方では鶏刺しと言って生の鶏肉を出す郷土料理もありますが、新鮮であっても鶏肉で見られるキャンピロやサルモネラ菌は牛・豚肉と同様、加熱によって防ぐことができます。加熱は中心温度75℃以上1分間以上です。
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