カルシウムの摂取は何から?
ご存知のように、日本人に一番不足しているミネラルはカルシウム(以下Ca)と言われています。一生を通じて、Caの必要な時期は、成長期の12-14歳が男女とも一番高く推奨量が設定されています。高齢者でも75歳以上では一日男性で700mg以上、女性で600mg以上となっていますが、最近の国民栄養調査では75歳以上の男性で561mg、女性で525mgと大きく不足状態で、若い人でも同様に不足しています。カルシウムが不足すると、骨や歯が弱くなり、幼児では発育障害が起こります。女性では妊娠可能年齢の20代、30代では650mgを必要とされています。妊娠により特に付加量は必要ありませんが、十分なCa補給が必要とされます。以前栄養相談があり、母乳で育てている母親の食べられないという悩みでした。子供は四か月で、「母体に栄養がいかないとまずはCa不足で、母親の歯がやられますよ」というと、「もう歯は4本抜けています」と言われて呆然としたことがありました。妊娠する前から、女性はCaを十分に摂取しておく必要があります。Caは乳製品等、動物性食品の吸収率が高く、野菜の小松菜にも多く含まれていますが、植物性食品の吸収率はそれほど高くありません。小松菜や貝の入ったチャウダー(牛乳入り)などが良いかもしれません。食品成分表では100g中のCaの含有量が示されています。100gを楽に摂取できるか無理なのかは、考えてみましょう。100g中、牛乳110mg、ヨーグルト120mg、しじみ240mg、小松菜(ゆで)150mg、木綿豆腐93mg、糸引き納豆90mg、鮭水煮缶詰190mg、鯖水煮缶詰260mg、煎り胡麻1200mg、わかめ水戻し130mg等となっています。ここで必要なのは常用量です。牛乳(1パック200cc)やヨーグルト(1パック100g)、豆腐(冷奴150g)、納豆(2パックで約100g)、鮭、鯖の缶詰類、小松菜(お浸し一鉢70g程度)は無理しなくても摂取できそうですが、しじみ、ごま、わかめ等はいくら含有量が多くても、簡単に沢山の量は採れません。そういう風に考えますと、小松菜のお浸しに胡麻、シジミの味噌汁にわかめを入れる、味噌汁に牛乳を入れる等と工夫し、色々な素材を少しずつでも摂取することが必要でしょう。その他にCa強化剤を入れご飯と共に炊く、強化されたふりかけや、お菓子等もあります。
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